趣味でフルートとトロンボーン、歌を嗜むご夫婦のための防音室です。建売住宅を購入し、建物の完成直後に一部屋をリフォームしてつくりました。
特徴的なインテリアデザインは、その道に進もうと考えていたこともあるという奥様が、建材メーカーのショールームまで自ら足を運び、一つ一つ吟味して素材を選びました。
所在地:東京都中野区
コース:リノベーション工事コース
防音室の用途:クラシック音楽室
遮音性能:隣地境界線においてD-55、D-60
床は無垢フローリングになぐり加工という特殊な細工を施したもの。高級旅館や料亭などでときどき見かける意匠で、独特の質感と素足で歩いたときの心地よい肌触りが住空間とは一線を画す非日常な印象を与えます。
今回採用したのは株式会社マルホンのヨーロピアンオーク 無垢フローリング スプーンカット 150mm巾です。「なぐり加工」についてはマルホンの下記ページが詳しいです。
現代に活かされる日本の伝統“なぐり”加工 | 無垢フローリング・無垢材・無垢内装材|マルホン
無垢材の施工方法やメンテナンスのポイントなど、無垢の木を使う上で知っておきたい情報を掲載。無垢材メーカー・マルホンが運営。
壁紙は陶器のひび割れを再現したデザイン。濃色かつ薄手の繊細なクロスは、職人の腕の見せどころです。
天井は麻糸を使用した壁紙を採用。通常は天井には吸音板を張っていますが、今回はフルートや声楽など響きを要求することもあり、カーテンやラグ、家具等で自然と吸音される程度でよいと判断しました。また、麻糸のクロスは一般的なビニルクロスよりいくらか吸音するようです。
防音ドアはダークブラウン色、レバーハンドルを特注のものとしました。スイッチやコンセントは一般的な白いものでは浮いてしまうため、黒いプレートのものを採用しました。
本来は趣味のためにつくった防音室ですが、ともに在宅勤務のご夫婦にとって、リモート会議を行うための部屋としても役立っています。自宅で過ごす時間が長いご夫婦にとってなくてはならない空間となっているようです。