ピアノレスナーのご自宅につくったピアノ室です。駅のすぐ近くにお部屋を借りてピアノ教室を運営しており、このたび自宅を新築するにあたり、教室とは別にご自身の練習用にコンパクトな防音室を計画しました。
ピアノ室工事のうち、内装や電気工事などは住戸全体を施工するハウスメーカーで行い、専門的な技術の必要な防音・音響工事部分を担当しました。こうすることで、インテリアのデザインが住宅部分とちぐはぐにならず、また、内装と電気の施工業者が住宅全体の工事の流れで作業できるため、コスト面でも有利です。
所在地:千葉県市川市
コース:コラボレーション工事コース
防音室の用途:ピアノ室
遮音性能:窓から1m地点においてD-55
いままではマンションに住んでいて、苦情が来てしまったために自宅で練習することができなかったそうです。今回施工したピアノ室は、屋外に対しD-55という防音性能を実現しました。ご近所さんに気兼ねすることなく、24時間好きなときにピアノを弾くことができます。
防音工事前の壁芯で4.5帖ほどの限られた空間ではあるものの、窓が2つあり、閉塞感のない防音室にすることができました。鍵盤のほぼ真横にある窓から明るい光が入り、また、演奏しながら空を眺めることができます。
防音室内にはクロゼットがあり、演奏会用のドレスなどを収納することができます。床のフローリングやクロゼットの扉、壁紙はすべてハウスメーカー側の工事で、ほかの部屋と同じものです。防音室だけが浮いたインテリアデザインにはなっていません。
今回は間取り上の制約から2階に防音室を計画することになりました。ピアノの搬入は、まずはクレーンで隣の部屋のバルコニーへアクセスし、そこからピアノ室へ移動します。ピアノの搬入は専門の運送業者が行いますが、防音室まで問題なく搬入できるよう動線を検討するのは我々の仕事です。間取りの計画段階からハウスメーカーとの打合せに参加して、搬入経路についてのアドヴァイスを行っています。