都内のマンションに住むお施主様は、近隣の住戸への配慮から電子ピアノをヘッドホンを使って演奏していましたが、生涯の趣味としてグランドピアノを新たに購入し、あわせてお部屋の防音工事をご計画されました。
リビングの一角にピアノを置いて、ご自身が演奏を楽しむだけでなく、このピアノが音楽を愛する人々を結びつける場所にしたい、そんな夢の実現に向け、お手伝いさせていただきました。
所在地:東京都中野区
コース:リノベーション工事コース
防音室の用途:ピアノ室
遮音性能:隣接住戸に対しD-70、D-75
最初にお会いしたときはまだ購入するピアノを決めかねているご様子でした。当室室長の紅谷も過去に同じような経験があったためお話が盛り上がり、結果として紅谷がおすすめした楽器店を訪れた際、ブリュートナーを試弾してその音色と弾きやすさが気に入り購入を決められました。
ブリュートナーはドイツ・ライプツィヒにある老舗メーカーで、日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは古くからスタインウェイ、ベーゼンドルファーと並び三大銘器と言われています。
こちらのお部屋にあるのはModel.6 サロングランドモデルで、奥行は190cm。ブリュートナーの特徴は高音部に4本目の弦があるアリコートシステム。高音が音圧不足になることなく、伸びやかにお部屋に響きわたります。
床・壁・天井・防音ドアのすべてが白で統一され、明るく清潔感のあるインテリアです。キッチンは防音ドアで仕切られ、生活感をあまり感じさせません。演奏していなければドアを開け放って配膳できるため、使い勝手も問題ありません。
まだ工事が終わらないうちから、お知り合いのピアニストを招いてホームコンサートの計画が持ち上がりました。当室もお招きいただけることになり、どんな響きになるか今から楽しみです。開催後にまたレポートしたいと思います。
2024年3月 元呑千香子さんによるホームコンサートが開催されました
第3回目のクローズドコンサートは、ピアニスト・元呑千香子さんのリサイタルでした。
前半はドビュッシー、フォーレ、ラヴェルのフランスものから。後半はラフマニノフとショパンでした。上品で繊細な曲が多く、選曲に元呑さんのセンスとお人柄が表れているようです。
トークを挟んで約2時間とホームコンサートとしては長めのリサイタルが、あっという間の幸福なひとときでした。
元呑千香子さんプロフィール
東京音楽大学卒業後に渡仏。サン・モールデ・フォッセ音楽院ピアノ科およびパリ13区モーリス・ラヴェル音楽院ピアノ伴奏科を卒業。ピカルディー・ヨーロッパコンクール・ピアノ部門にて1位。趣味は猫と過ごすこと。
元呑千香子さんオフィシャルサイト https://www.collinepiano.jp/
2023年3月 栗原麻樹さんによるホームコンサートが開催されました
2回目のクローズドコンサートとして、ピアニスト・栗原麻樹さんによるホームコンサートが開催されました。
長い間パリに留学していた経験から、前半はドビュッシーとプーランクから。そして後半はラフマニノフ。フランスものの繊細で色彩感豊かな音色と、ラフマニノフの力強く太い重低音の対比が興味深く、それを見事に弾き分けていらっしゃいました。
曲間のトークがとても面白く、音楽とお話が親密な距離感で堪能できるのは、サロンコンサートならではの醍醐味です。
栗原麻樹さんプロフィール
15歳でフランス・パリに渡り、パリ国立高等音楽院に満場一致の首席にて入学、エコールノルマル音楽院の最高課程を修了、スコラカントルム音楽院のコンサーティスト課程を満場一致の首席にて修了。文化庁海外芸術家研修員。浜松国際ピアノアカデミーコンクールほか、数多くの国内外のコンクールに入賞。ラジオ、テレビ、雑誌などに多数出演、掲載され、現在年間100回ほどの演奏会に出演している。
栗原麻樹さんオフィシャルサイト https://maki-kurihara.com/
2022年10月 石坂奏さんによるホームコンサートが開催されました
お部屋が完成して1か月半、ピアニスト・石坂奏さんを招いて初めてのホームコンサートが開催されました。
演目はショパン、ドビュッシー、ベートーヴェンの比較的有名な曲から。ブリュートナーの澄んだ音色を存分に引き出し、端正かつ明晰な演奏でした。
石坂奏さんプロフィール
東京藝術大学 音楽学部器楽科 ピアノ専攻卒業。同大学院 音楽研究科 修士課程修了。第29回市川市新人演奏家コンクール 最優秀賞。第12回 ルーマニア国際音楽コンクール 第4位。第7回及び第9回 野島稔・よこすかピアノコンクール 入選。ピアノを杉田邦江、松浦 健、渡辺健二、江口玲、田崎悦子の各氏に師事。