自然素材の風合いが心地よいカフェ風インテリアのピアノ室

神窪さんのピアノ室

ピアニスト、ピアノレスナーとして活躍中の神窪翔子さんの防音室です。新居を建てるにあたり、一室をピアノ教室として計画しました。

住宅会社には防音室にする予定のスペースをスケルトン渡しで施工していただき、建物完成直後から防音工事を行いました。

所在地:千葉県千葉市

コース:リノベーション工事コース

防音室の用途:ピアノ室

遮音性能:窓・外壁から1m地点においてD-50、D-55

ピアノ室

内装材には天然素材を多用し、ナチュラルで落ち着く風合いのインテリアです。おしゃれなカフェやヘアサロンのような雰囲気に仕上がりました。

桐羽目板 天井

天井は一番高いところで3.2mあり、ピアノの音色が伸びやかに響きます。「ここで弾くと上手くなった気がする、と生徒が言ってました」と語る神窪さん。この高い天井をとても気に入っていただきました。

切妻屋根の形状そのままに作らず、あえて頂点をずらして傾斜も非対称にしました。これはシンメトリーな船底天井にすると音響的な欠点が目立ちやすくなるため、それを回避することが目的です。通常は新建材の天井吸音板を張ることが多いですが、ナチュラルなデザインにするため桐の無垢羽目板を採用し、その背後空気層を設け吸音効果を狙いました。

神窪さんの留学先、ハンガリーの首都ブダペストの思い出から、壁はざっくりとしたテクスチャーの漆喰塗りとしました。真っ白ではなく、落ち着きのあるグレー味のアースカラーです。

フレンチパイン フローリング

床には幅170mm、厚さ20mmの無垢フローリング。樹種はフレンチパイン(フランス海岸松、マリタイムパインとも)。針葉樹としては堅い方で、ピアノを置いても跡が付きにくいです。やや濃色の塗装を施し、優しくアンティークな雰囲気です。

待合いスペース

窓の近くにはレッスンに同行した親御さんなどが座るスペースがあります。小さな机を置いてソルフェージュのレッスンを行うことも想定しているそうです。間接照明はオーク無垢材。

楽譜棚

楽譜棚も造り付けました。棚板も仕切りも集成材を加工したシンプルなデザインですが、お部屋の雰囲気にあわせて現場塗装で仕上げました。

ミニチュア
神窪翔子さん

神窪翔子さん

山口県岩国市生まれ。4歳からスズキメソードによりピアノを始める。市原中央高校芸術コースを卒業後、ハンガリー国立リスト音楽院に留学。同音楽院を卒業。ハンガリー国家室内楽演奏家資格、及び国家教員資格(EU圏内)ディプロマ取得。

帰国後は演奏活動と後進の指導にあたり、2022年夏、出身地の千葉市において、新居建設と同時にピアノ教室を開室。

これまでにピアノを紫垣英二、Balázs Szokolay、András Kemenes、室内楽をKároly Botovay、Imre Hargitai各氏に師事。