ディアパソン グランドピアノ購入記 その2

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こんにちは、紅です。
最近ガラにもなく激しい曲を練習していて腱鞘炎気味です・・

前回(ディアパソングランドピアノ購入記その1)からの続きです。

目次

グランドピアノ購入断念

購入するピアノはシゲル・カワイSK-2に決定。しかしそれがすんなり実現することはありませんでした。

自邸の建築コストが予算をはるかにオーバーしてしまって、ピアノにまわせる余裕がなくなってしまったのです!

建物の仕様を落とせばいい話なのですが、当初設計の建築費があまりにも高すぎ、そこから絞りに絞ってもまだ予算をかなりオーバーしています。超過分はスタインウェイが手に届くほどに・・・

グランドピアノを所有することは僕の夢ですが、自分で設計した自邸を建てることも大きな夢のひとつです。妥協したくてもできない部分もあるのです。

結果として家と同時にグランドピアノを購入するのは断念。自邸の防音室にはいままで使っていたアップライトがしばらく入ることになります。

アップライト
リビングと二重ガラス戸で仕切られた防音室

ピアノ探しの旅ふたたび

家が建ってから6年後、2013年は翌年に控えた消費税増税の駆け込み需要で建築業界は好況でした。僕が勤めていた会社も売り上げが倍増、非常に忙しかったですがボーナスも上がって懐は潤いました。

ようやくグランドピアノが買えそうな気配となり、ふたたびお店めぐりを始めたのでした。

もちろんまっさきに向かったのはカワイのお店。シゲル・カワイSK-2を試弾します。

ところが・・・

あれ? なんか違う・・・

透き通るような音色でもなければ、タッチがなんだか重く感じます。

たまたま弾いたものが自分に合ってなかったのかと思い、ほかのサイズを試してみたり、後日別のお店に行ってみたりしましたが、6年前の感動がよみがえってきません。

どうもモデルチェンジをしたようでそれが理由かもしれない、では中古を探そうかと思ったのですがこれがぜんぜん売りに出ていないのです。シゲル・カワイ自体が登場してからまだ10年ちょっとしか経ってなく、中古の市場にほとんど出回っていないようです。

なんだか振り出しに戻ってしまった感じですが、そんな中、新たに候補に挙がってきたピアノが2つありました。

ペトロフ

当時所属していたピアノサークルの友人が、輸入ピアノを扱う楽器店で働きはじめ、そこに訪れてみたときに初めて触れました。

なんとも言えない艶やかな音色と木管楽器のような温かみのある音はなかなか好みでした。サイズは確かC2(173cm)くらいの大きさだったと思います。

それからネットでペトロフについて色々調べているうちに、都内に新しくペトロフ専門店がオープンしたことを知りました。それがピアノプレップさんでした。

ここで、以前シゲル・カワイに出会ったときのような大きな衝撃に会います。

ピアノプレップさんに訪れると、3台のグランドピアノが置いてありました。小さいほうからP159 Bora、P173 Breeze、P194 Stormです。数字はそれぞれ奥行寸法を示しています。

3台とも綺麗な澄んだ音色が出るのですが、なかでも一番気に入ったのはP194 Stormで、特に高音の美しさは極上、弾いていて恍惚とした気持ちになります。低音の量感も十分。いままで試弾してきたピアノの中で一番気に入りました。スタインウェイを超えるピアノだと本気で思ったほどです。

これはあとで店主の山内さんから聞いて知ったのですが、ピアノは工場出荷の状態よりも、その後にどれだけ調整を入念にやるかによって大きく変わるとのことです。

腕のよい調律師がメンテナンスすることでも良くなりますが、できれば納入する前に、設備や機材が揃っている楽器店や工房でじっくり調整すること=プレップアップが重要で、ピアノプレップさんの社名はここから取ったとのこと。つまり、プレップアップに力を入れることをお店のコンセプトとして打ち出しているのです。

このお話はとても共感できるもので、山内さんの技術力とピアノに対する真摯な姿勢がよく理解できました。こういう方から購入すれば、その後のメンテナンスも安心してお任せできるのではないでしょうか。

ペトロフのピアノは素性が良いことは確かですが、山内さんがプレップアップしたことで本領を発揮するのだと思います。

しかし残念なことに自分の用意できる予算をだいぶ超えてしまっています。輸入ピアノの中では手頃感がありますが、それでも国産ピアノに比べると開きがあります。スタインウェイやベーゼンドルファーが車で言うところのベンツやBMWに相当すると考えると、ペトロフはプジョーやフォルクスワーゲンあたりの位置づけでしょうか。

僕はスタインウェイより上と評価したのでそれよりずっとお安く手に入るペトロフはコスパ最強だと思います。

ディアパソン

6年前はシゲル・カワイのすぐそばにあってスルーしてしまいましたが、情報を集めているうちにどうやらディアパソンは通好みのこだわりのあるピアノと知りました。

その中でも当時主力のDRシリーズは、総一本張りの張弦方式、レンナーハンマー・レスローワイヤー使用、デュープレックススケール方式の不採用など、構造・技術的な創意工夫が注ぎ込まれているとのことです。(それぞれの解説はここではしませんので興味のある方はググってみてください)

とは言えそれは頭で知識として得ること。ピアノは実際に弾いてみて、耳と指先の感覚と、心で感じ取ることで初めて理解できるものです。

ディアパソンを置いてあるお店は限られているのですが、運の良いことに地元で数台展示のあるお店があることを知り、早速行ってみました。

そこには、自邸の防音室にちょうど良いサイズのDR-300だけでも3台(通常モデル、ハンマーを軽いものに入れ替えたモデル、鍵盤を象牙にしたモデル)あり、おそらくディアパソンがこんなに充実しているのはこのお店だけでしょう。

ほかにも大きめのDR-500もあり、こちらはショップ併設の音楽ホールにありました。

すべて弾いてみた感想は、やはりDR-500はサイズからくる余裕があり、響きに深みがあります。ですがDR-300も中高音の透き通った音色はいずれも美しく、かなり気に入りました。

ディアパソンはベヒシュタインの音を目指して開発されたそうで、そのクリアな響きは共通点と言えますが、僕はしっとりした弾き心地はむしろベーゼンドルファーに似ていると思いました。

唯一気になるのは、タッチが重めなことでしょうか。ハンマーを軽いものに改造したモデルも弾いてみましたが、通常モデルと比べても違いをあまり感じません。

そのほか、6年前のピアノ探しのときのように色々なメーカーのものを試弾すべく多くのお店をまわりましたが、予算が許されればペトロフ、そうでなければディアパソンという結論に至りました。

ディアパソンDR-300購入

ピアノプレップの山内さんに、ペトロフP-194がとても気に入ったのでぜひ購入したい、しかし予算をオーバーしていると正直に伝えましたが、価格と予算の開きが交渉でなんとかなるようなレベルではなく、断念せざるを得ず・・

それではペトロフはお金に余裕ができたら購入することにして、今回は残念ながら2番目に気にいったディアパソンDR-300を他店で購入することにしますと伝えると、なんと「ではうちでお売りしましょうか」と言ってくれるではないですか!

山内さんが独立する前に勤めていた楽器店でディアパソンを扱っていたことから、メーカーに伝手があるそうで、それならば是非お願いしたいと伝えました。

実はほかのお店では倉庫で眠っていたものを大きく値引きしてくれるお話があったのですが、ペトロフから極上の音色を引き出している山内さんなら、きっとディアパソンを僕の希望通りのピアノに仕上げてくださるだろうと(それこそペトロフのような音色に(笑))考えたわけです。

※その1でも書いたように、まだ独立したばかりで経営が軌道に乗る前だからディアパソンを売ってくださったのであって、いまは難しいかもしれません。

ピアノプレップさんはペトロフの専門店なのでディアパソンは店頭に置いてありません。そこで河合楽器浜松竜洋工場に同行していただき、選定していただきました。

工場では2台のDR-300と、おまけにDR-500を並べて試弾させていただきました。ここでまたDR-500が素晴らしいことに気が付いてしまったのですが、サイズ的に我が家の防音室には大きすぎるため、山内さんアドヴァイスのもと2台のDR-300のうちより音色の整った方を選定しました。

ピアノ剪定

カワイの工場見学や展示室を見たりと、日帰りですがなかなか楽しい旅でした。

新幹線に乗れるということで息子たちもついてきました。
(当時まだ1歳だった娘はおるすばん)

yoshikiモデル
次男が弾いてるのはYOSHIKIモデル
クラヴィコード
長男はクラヴィコードが気に入った様子

工場から自宅に直送ではなく、いったんピアノプレップさんの店舗に納入、ここで山内さんが丁寧にプレップアップしてくださいます。

調整完了の連絡を受け、お店で試弾させてもらうと工場で弾いたときよりも格段に良い音がします。プレップアップがいかに大切かを実感しました。

お店に来たついでにペトロフP-194も試弾すると相変わらず最高のピアノでしたが、ペトロフを超えるものではないにしてもDR-300も十分に良い仕上がりで満足のいくものでした。

そしてついに我が家に!!

ディアパソン納入

工場や店舗は広く天井の高い空間ですが、我が家の防音室はそこまで恵まれた空間ではありません。音響設計を生業としている身としては少々心配でしたが、それは杞憂でした。狭い空間でも高音の美しさは失われていません。(低音はさすがに空間の影響を無視できませんが、それは承知の上です)

これで自分で設計した家を建てるという夢、グランドピアノを所有するという夢、2つとも実現しました。もう思い残すことはない・・・ということはありません。また次の夢をつくってそれを楽しみ日々過ごすだけです!

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